一般歯科での矯正治療
ID:shikakyouseiさんのブログ「歯科矯正勉強中」の中の一般歯科での矯正治療というエントリーの記事の中で
『一般歯科医の仕事をしている間は矯正の勉強や治療はしていない』
とのご発言を読んで思う事がありましたので、「矯正歯科治療を始めるときに」とは項を分けて記載します。
大学の歯科の部門は専門によって細かく別れており、自分の専門分野に対する研鑽を積む事になります。それぞれの部門が、その専門性について自負することがあるのは、もちろんです。
さて、ここに一人の人がいるとして、その口の中は、それぞれの細かな専門分野に別れて存在しているのでしょうか?口腔は、様々な形態と機能を持ちながら、一つの器官として存在しているのではないかと私は思います。
私は、大学を出た後、小児歯科の講座に3年残った後、院長と一緒に林歯科医院を開業し、それからも小児歯科を専門にしてきました。小児歯科は、最初の乳歯が生え始めてから永久歯の歯並びが完成するまでの歯に関する事、予防、虫歯治療、噛み合わせの誘導、外傷の処置、その他外科的な治療も含めて担当する歯科の一診療形態です。
私は、大学病院を出て、開業医として臨床に携わるようになってから、一つの専門分野にとらわれて診療する危うさを感じるようになりました。一人の人の口の中を診る時、口の中だけではなくその全身状態、精神状態にも思いを馳せ、その人にとって最適な治療のゴールはどこにあるのかを、その人とともに考えることが重要だと思うのです。
一般歯科で矯正治療を行なうメリットとしては、一人の人の治療について、どこまで矯正を行なうかを考える事ができるところがあると思います。特に成人の方の矯正治療では、多くの方がなんらかの歯科治療を受けていらっしゃいますので、その治療内容に応じてゴールを設定し、矯正治療と一般歯科治療のコンビネーションをとって負担が少ない治療を行なう事が可能です。
常に、一般の歯科治療を行なうときにも専門医としての視点を持ち、専門的な治療を行なうときにも一般歯科のアプローチを念頭に置くということが、「矯正歯科を勉強して一般歯科を開業している歯科医師」である院長の診療姿勢です。
『一般歯科医の仕事をしている間は矯正の勉強や治療はしていない』
という言葉の中には、一般歯科の治療をしているときは、矯正の事は考えていないというような気持ちが見受けられるような気がして、少し残念に思いました。
