初めての矯正治療 「矯正相談」
歯並びが気になる人が、矯正相談を受ける場合についてご説明しましょう。
1)矯正治療の費用
2)矯正治療の開始時期
3)本人が希望しない時
4)初回の予約
5)初めての矯正歯科
6)術前の検査
1)矯正治療の費用について
矯正治療には健康保険は使えません。
大抵の疾患の治療には健康保険が適応されますので、なかには驚かれる方もいらっしゃいますが、原則として歯並びの治療には健康保険は適応されません。稀に保険で治せる場合もあるのですが、使えないものと理解していただいた方がよろしいでしょう。
・矯正治療の料金
保険診療の財源には限りがありますので、その適応(=どんな治療に使えるか)については予め定められています。
歯並びの治療は、審美的な側面が強いためもあって原則的に保険の適応とはなっていません。例外として、いくつかの疾患の結果、歯並びの治療が必要とみなされたケースについてのみ、保険が適応されます。
保険診療の料金は、日本全国、どこででも同じ基準が決められていますが、保険が適応されていない治療の料金は個々の医療機関によってその価を決められています。したがって、お隣にあっても料金が違うと言うこともあります。
料金の体系については早呑み込みをしないように良く考えながら説明を聞かれるようにお勧めします。
治療を始めた後になって、思っていた料金と違っていたなどというトラブルは、患者さんはもちろん、医院にとってもさけたいことです。納得できるまでよく説明してもらいましょう。
2)矯正治療の開始時期について
では、いつから始めたらいいのでしょう?
歯並びの状態によって違います。
・大人の方について
現在は、少数の例外を除き大人の方の歯並びの治療も十分行い得ます。
お子さんの場合と違い、これから歯並びの状態が変化するわけではありませんので、御自身のご都合、転勤などのお仕事の都合や結婚出産などの御予定も考えに入れてスタートの時期を決定されるとよろしいかと思います。
大人の方が自分の意思で治療を開始される場合、治療への積極的な働きかけが行われるために、予想したよりも短い期間で治療が終わる場合も見られます。長い間悩んでいらした方が治療を始める場合など、こちらが驚く程真面目に装置を使っていただけることが多々あります。
・中高生の場合
歯並びの状態は概ね安定していますので、歯科的にはいつスタートしても変わりは有りません。よく、治療の継続の妨げとなるものとしては、部活と受験があります。
どの時期に開始しても、全く受験勉強、クラブ活動に関係ない時期と言うのは中学・高校時代にはないものと思われます。矯正治療の通院は概ね月一回、1時間程度ですが、本人にとってはそれ以上の負担となる場合があるようです。本人の治療の意思を良く考慮していつ治療を開始するかをきめて下さい。
但し、大人の方ならおわかりでしょうが、これからの人生に全く暇な期間が数年にわたって続く可能性はないことでしょう。人間はいつもだいたい忙しいものです。
本人に確固たる治療の意思があるのなら、治療そのものにかかる期間は成人してからより短くてすむ場合が多いようです。これは、歯そのものが動きやすいからです。
そのような事も考えた上で治療開始時期をきめて下さい。
・小学生の場合
小学生の場合は歯並びの状態が変化している時期ですから、歯並びの状態によってベストな開始の時期が異なります。
骨格のアンバランスが原因で歯並びに影響が出ている場合には成長期の今がスタートの時期として望ましいことでしょう。大人になってからでも治療はできますが、成長に対するアプローチはできませんから、歯の位置の移動のみによって矯正を行うことになります。また、骨格に対するアプローチとして外科的な処置が必要な事もあります。
結果として、治療のゴールも違ってくるでしょう。
今ならできるという治療法もあります。
歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪い場合には、ある程度歯が萌え揃ってからの方が治療期間が短くてすみますから
「もう少し様子をみて」と言われる可能性もあります。
さて、治療を受ける方がお子さんの場合、保護者の方は治療を受けさせたいと思っていても、本人は希望しないと言うことがあります
3)本人が希望しない時
治療を受けさせたいのですが本人が治療を嫌がります。
どうしたらいいでしょう?
このような質問を受ける事があります。
本人が歯並びが気になるかどうか、装置の使用を恥ずかしがっているかどうかも治療の正否を決める大事なポイントです。
大人の方には関係ないことですが、お子さんの場合は歯科の予約の前にまずご家族でよく話し合いましょう
・まず、家庭で話し合いましょう
保護者の方が矯正治療を受けさせたいと思われていても、本人は希望していないと言うこともあります。
長期間にわたる治療であり、自分でセッティングをしなければならない装置も有りますので、本人に治したいという意思のない場合、治療が中断したり、装置を予定通りに使えなかったりといったトラブルが起こってくる可能性があります。
保護者の目から見て、どこが心配なのかを本人に説明し、一度矯正歯科で相談を受けた後で治療を受けるかどうかを決められるとよろしいと思います。
・次に矯正相談です
矯正治療をするかどうかを本人が決めかねていることを伝えた上で、矯正相談をなさってみてください。
前の項で説明したように、治療をスタートさせるのにちょうどよい時期がきていることも有りますし、もう少し様子を見た方がよいこともあります。
歯並びの状態をチェックしてもらって、治療の必要があるのかどうか、スタートするのに良い時期がいつか、を聞いた上で今一度家庭に戻って御相談なさってください。
・矯正医の意見を参考にもう一度相談しましょう
矯正医の医院を見、話を聞いたことで本人の意思が決まる場合も有りますし、逆に、実際の装置などを見て却ってやりたくないという気持ちが強くなることもあるでしょう。
診断の結果によっては御家庭の方はあせるような気持ちになられるかもしれませんが、あまり強引にスタートさせてしまうと、継続することができなくなることもありますので、その点を家庭内で良く見極めてから治療に入られることをお勧めします。
4)初回の予約
矯正相談を受けようと言うことになったらまず、初回の予約をとりましょう。
まず、予約の電話をしましょう。
希望する医院に電話してみましょう。
1.矯正歯科の探し方
【口コミ】
まわりに矯正をしている人がいたら、どこで治しているのか、満足しているかなどを聞いてみましょう。但し、その人が満足しているからと言って、あなたも満足できるとは限らないことは覚えておいて下さい。
【電話帳】
NTTのタウンページなどで、歯科→矯正歯科の項を調べてみるとその土地の矯正歯科を標榜している歯科医院の名前がだいたい載っています。矯正歯科単科で開業しているのは、概ね矯正歯科を専門に研鑽を重ねてきた歯科医師です。複数の診療科目を標榜している場合は、矯正歯科も診療できる歯科医師が常勤している場合と、矯正歯科専門の歯科医師が非常勤で勤務しているケースがあります。非常勤勤務の場合、矯正歯科の診療日が決まっている事が多い様です。
【インターネット】
全ての矯正歯科がホームページを持っているわけでは有りませんが、歯科関係のリンク集を辿っていくとたくさんの歯科医院のホームページが見つかります。お住まいの近くの矯正歯科のホームページが見つかったら、目を通しておくとよいかもしれません。
http://itp.ne.jp/servlet/jp.ne.itp.sear.SCMSVTop
NTTのタウンページも最近はインターネット版があります
http://www.mmjp.or.jp/dental-surf/ds/index.html
歯科医院、歯科大学研究機関、関連企業、関連団体のリンク集
http://www.jpinfo.co.jp/me/index.ssi
メディカル電話帳
インターネット最大16万件
都道府県別、医療機関の電話帳
名称、住所、などから検索可能
http://www.jos.gr.jp/
矯正科学会のホームページ
学会認定医名簿の掲載あり
http://www.jaaortho.org/
日本成人矯正歯科学会。大人の歯並びの治療について。
学会認定医名簿あり
http://www.kyouseishika-ikai.gr.jp/
日本臨床矯正歯科医会。会員診療所紹介あり。
会員は、矯正歯科臨床を専門に行い、5年以上の経験を有する者で、所在地区会員1名を含む会員3名以上の推薦を受けた歯科医師です。
2.予約の電話をします
かかりたい歯科医院をピックアップしたらまず電話をしてみましょう
【電話でまず伝えることは】
矯正を希望すること、希望する者の年令性別、歯並びのどの点が気になるかです。
例えば
「10歳の女の子なのですが、学校検診で歯並びの検査を受けた方がよいと言われてお電話しました。永久歯に生えかわってから前歯にでこぼこができてきて気になっています。」
といった内容です。
他に医院の側で事前に確認しておきたいことがあれば、尋ねられるはずです。
【予約の前に確認して置くことは】
何軒の医院に電話してもいいのですから、臆せず、まず次の事を確認しましょう。
矯正相談が行われている曜日と時間
初回来院時に行われる事
初回の費用
です
例えば、
「矯正相談を受診したいのですが、何曜日が空いていますか?」
「初診の日に検査も行われるのでしょうか?」
「初診の日には料金はどのぐらい用意しておけばよいでしょう?」
このようなことを確認しておいて下さい。
その医院のシステムによって、初回の受診日が設定されている場合や、初診日は相談のみで検査は別に予約が必要なこともあります。初診日に必要な費用もまちまちです。
【予約をとります】
電話の応対の結果、その医院で相談を受けることにしたら、都合のつく時間を予約して置きます。
場所や交通機関が分からない場合は、教えてもらうようにしましょう。
もし、何軒かの矯正歯科で相談を受けたい場合には、このようにして次の医院の予約をとって下さい。
予約がとれたら、次は初回の受診です。
5)初めての矯正歯科
いよいよ初めての受診です。
初めての受診の日
初めてかかる矯正歯科、どんなことをするのでしょう?
ちょっと緊張していると思いますので、これからの予定をお話しましょう。
・受付
相談の前に、まず問診票の記入が行われると思います。
医院によっては、受付の方の聞き取り調査のような形になるかもしれません。
事前に伺っておきたいこと:
名前、年令、性別、
いつごろから歯並びが気になるのか、
どんな事が気になっているのか
などを確認します。
直接矯正には関係ないことのようですが、身体の状態なども確認されると思います。
矯正治療は期間が長く、費用も多額になりますので、転勤の可能性なども聞かれることでしょう。
・矯正相談
いよいよ矯正相談です。
問診票の内容の確認、その他に歯科医師が確かめておきたいことの問診が行い、ふつうの歯科医院と同じ様に、診療台に横になって歯並びの状態を確認します。
それから、目で見て分かる範囲での
現在の歯並びについての説明
治療の必要性の有無
治療を開始するのに適した時期
治療に要する期間
必要と思われる装置
その医院での治療の費用
などについての簡単な説明が行われます。
分からないことがあれば、もう一度よく説明してもらいましょう。
さて、「目で見て分かる範囲」と申しましたが、詳しい治療の方針は検査を行わなければ立てられません。
ここまでの診査で治療が必要と思われる方は、検査を受けることが勧められると思います。相談の内容を把握してもう少し詳しい診断を受けたい場合には検査を受けて下さい。
診断を聞いた上で治療を受けるかどうかをきめたい場合には、予めその旨を伝えておくとよいでしょう。
検査の費用についても、検査の前に確認しておいてください。
医院によっては、相談を受ける方には検査がセットになって料金が設定されている場合も有るかと思います。
・検査結果
レントゲンの現像などにはそれほど長い時間がかかるわけではありませんが、矯正治療の計画をたてるには少し時間がかかります。多くの医院では当日ではなく、後日新たに時間をとって検査結果の説明、矯正診断、矯正を行う場合の治療計画についての説明をおこなっていると思います。
検査が終わった後、次回、矯正診断の予約をとって下さい。
6)術前の検査
林歯科医院では、相談の後、希望の方は術前の検査を行います
矯正治療の前に行う検査
相談の後、当日続けてまたは日を改めて、検査を行います。
術前検査の内容
矯正相談の後、必要が有り且つ希望する方は検査を受けます。
検査の内容は大体次のようなものです。詳細を御覧になりたい方は、
「矯正相談を受けてみましょう」の項を御覧下さい。
下記以外にも必要に応じて検査が行われます。
口腔内模型用の型とり
口腔内写真の撮影
顔貌写真の撮影
レントゲン写真の撮影
骨格の分かるもの
歯と歯茎の骨の状態がわかるもの
検査は痛く有りません
「検査は痛く有りませんか?」と聞かれることがありますが、痛みを伴なるような検査は無いと思います。
口腔内模型用の型とりは、虫歯の治療などで行われるものと同じやりかたですが、口全体の形がわからないといけないので、少し苦しいかも知れません。
検査を終えた方は、次回検査結果についての説明を受けます
検査の結果を元に次回は、
何が歯並びに影響しているのか
骨格の状態
歯の大きさと顎の大きさのバランス
治すにはどんな方法をとるのか
期間はどのくらいかかるのか
この医院で行う場合の費用はどのくらいか
について説明を受けます。
詳しくは二回目の矯正治療「診断」を御覧下さい。






