歯科検診kenshin
痛くもないのに歯医者にいくの?どうして検診が大切?
歯医者って「歯が痛くなったら行く場所」というイメージの方はたくさんいると思います。しかし、痛みが出始める頃にはお口の中の病気はだいぶ進行してしまっていることも少なくありません。「病気が進行する前であれば、歯を残すこともできたのに・・・」ということにならないためにも検診は大切なんですね。
特に歯周病は痛みなどの自覚症状がないまま静かに進行していきます。そのため知らず知らずのうちに歯を支える骨が溶け、歯を抜かなくてはならなくなったり、歯周病治療を行ってもハブラシが十分行き届かない歯周ポケットが残ってしまいやすいのが特徴です。
歯科検診ってどんなことするの?
歯科検診では一般的に以下のような内容を行います
必要に応じて、歯や顎の状態、虫歯、歯周病の進行具合などをレントゲン上で確認します
学校歯科検診と歯科医院での検診のちがい
歯科検診にはいろいろな種類があり、妊婦歯科検診、学校歯科検診、歯科特殊検診など様々な目的の歯科検診があります。その中でも学校歯科検診はみなさん子供の頃に受けた記憶があるのではないでしょうか。
学校歯科検診と歯科医院での検診のもっとも大きな違いは、その目的です。学校歯科検診では、口腔内の問題点を広く「スクリーニング」することを目的としているため、虫歯や歯周病ではない方も検診にひっかかってしまうことがあります。また、学校という限られた設備環境(照明の明るさ・使用できる器具・診察しにくい体勢など)の中で行う集団検診であるため、虫歯などが発見に至らないことも多くあります。そのため、学校検診で問題なしとなった方でも歯科医院での検診をおすすめします。
学校歯科検診
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歯科医院の検診
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対象
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集団 |
個人 |
目的
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スクリーニング |
疾患を診断する予防や治療の方針を決める |
環境
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照明などの設備に限界がある |
十分な明るさや、レントゲン機材など必要な機材が揃っている寝た状態で診察できるためしっかり確認できる |
検診用語のシー・マルってなに?
CO(シーオー):虫歯になりかけている状態(経過観察が必要な歯)を意味します。歯を削ったりする治療の必要はありませんが、磨き残しなどが付着していると虫歯(C1)へと進行していくため注意が必要です。歯磨きの徹底やフッ素などの使用が必要です。
C1(シーワン):歯の表層部分(エナメル質)のみ虫歯になっている状態です。虫歯による穴が発生していない場合は経過観察することもあります。虫歯の穴が発生している場合は内層部分(象牙質)まで進行する可能性が高いため治療が必要になることが一般的です。
C2(シーツー):エナメル質の内層にある象牙質まで虫歯が進行した状態です。冷たい水などで、しみる症状や痛みを伴うことが多いです。詰め物などの虫歯治療が必要な状態といえます。
C3(シースリー):象牙質のさらに内層にある神経(歯髄)まで虫歯が進行した状態です。歯の神経に虫歯が到達しているため、なにもしていなくてもズキズキと痛みが出たりしやすい状態です。歯の神経をとる処置が必要になります。
C4(シーフォー):虫歯により歯の大部分が失われ、歯根だけの残っている状態です。残された歯根の状態によっては抜歯が必要になることもあります。
それ以外の状態を表す用語としては
斜線(/):健全歯です。現在生えている乳歯、永久歯に虫歯や治療痕がない状態です。
マル(〇):処置歯です。過去に虫歯の治療が施されている状態です。
サンカク(△):喪失歯です。本来あるべき歯が抜歯などによって失われている状態です。
バツ(×):要注意乳歯です。そろそろ抜け替わる必要がある乳歯です。乳歯がグラグラの状態や、下から永久歯が見え始めている場合などが該当します。抜歯の必要があるか歯科医院で相談することをおすすめします。
1・2・3などの数字は歯の種類を表しています。1=中切歯 2=側切歯 3=犬歯 4=第一小臼歯 5=第二小臼歯 6=第一大臼歯 7=第二大臼歯です。つまり、「右上3シーツー」といわれたら「右上犬歯に象牙質まで進行した虫歯」があるということです。
歯周ポケットってなに?
国民皆歯科検診ってなに?
2022年6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)に盛り込まれたのが「国民皆歯科健診」です。この骨太方針2022内では、国民が年齢問わず歯科健診を受けられる制度の実現を目指すとしています。定期健診を通じて国民の口腔内の健康を守り、健康寿命を延ばすために「国民皆歯科健診」制度の導入を検討しています。
では、なぜここまで歯科健診の必要性が叫ばれるのでしょうか。実は、お口の中と全身は密接なつながりがあり、口腔内の状態が全身の健康状態に大きな影響を与えていることがわかっています。特に、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、糖尿病、認知症、肺炎などはその発症リスクや重症化にお口の健康状態が影響していることが知られています。お口の健康状態を守ることで、全身の病気を防ぐことが大切といえます。
林歯科での歯科検診
当院では上記の、虫歯の検査、歯周ポケット検査、歯肉の出血検査、歯の動揺度検査、プラークチャート検査などを行います。また、必要に応じてレントゲン検査にて虫歯や歯周病の状態を確認したり、歯垢・歯石・着色などの清掃を実施しています。